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2018年12月14日
カテゴリー:院長より
見果てぬ夢の地平を透視するものへ-167
ⅲ
この断続的な論考も、一般的な表現論からすこし離れて、ある意味できわめて各論的な精神医学の分野にかかわりすぎたという気がしないでもない。だが、ここまで<世界の病むこと>の内にかかわってきた以上、もう少しだけ歩を進ませて述べさせてもらいたい。
私が現在勤務している精神病院は、東京都の私立精神病院のなかでは、その歴史にしろその規模にしろ代表的な病院といってよい。
だから、この病院の歴史は、そのまま日本の私立精神病院がたどってきた精神医療の歴史だと考えて過言ではない。そして、それだけではなく現代の精神医療の状況と、精神衛生法体制の中核を担う病院として、現在もなお厳然と機能しているのである。
(Ⅳ私的表現考/世界の病むこと つづく…)